- 9月 4, 2024
歯と歯の間のヤスリがけ。IPR・ディスキング・ストリッピングとは?
みなさん こんにちは☺
板橋区 東武東上線 東武練馬駅徒歩2分のところにある【歯ならび肌管理クリニック】の歯科衛生士です。
今回は、矯正治療で行う、歯と歯の間のヤスリがけの処置について説明させていただきます。医療用語でその処置をのことを IPR(InterProximal Reduction)・ディスキング・ストリッピングと言います。この3つは全て同じです。
IPR(InterProximal Reduction)・ディスキング・ストリッピングの目的
①歯を並べるためのスペース確保すること
➁矯正治療によって移動した歯をその状態に保持すること(トゥースサイズディスクレパンシー)
③正中線の改善
IPR(InterProximal Reduction)・ディスキング・ストリッピングの方法
歯と歯の間をごく少量削ります。エナメル質の厚みは2~3mm程度です。エナメル質限界切削量という規定がありそれに従い処置を行います。エナメル質限界切削量は歯の部位によって異なり、上の前歯で0.3㎜、下の前歯で0.2㎜、小臼歯・大臼歯で0.5㎜となります。歯の健康や寿命に影響の出ない安全な範囲内で切削が行われます。
エナメル質とは
エナメル質は歯の一番外側を覆っている目に見える表面の硬い層のことです。人間の体の中で最も硬い組織です。エナメル質には神経がないので痛みを感じることはありません。
IPR(InterProximal Reduction)・ディスキング・ストリッピングのメリット
①歯を抜かずに歯並びが整えられる
IPRの適応症例では、抜歯せずに歯並びを整えられます。健康な歯を抜くことに対して不安がある方や、抵抗がある方でも安心して矯正治療を行えます。
➁歯の形や大きさのバランスが整えられる
矯正治療前の普段から噛めていない歯は、噛めている歯に比べ、鋭利にとがっていたり形が歪だったりします。それを整えキレイに配列することにより歯並びがより美しくなります。
③歯の安定・後戻りを防ぐことができる
IPR前は、歯と歯の接触が点接触だったのに対し、IPR後は面接触になるため、隣り合う歯の面同士でしっかり支え合うことができ、矯正治療後の歯の安定に繋がります。
IPR(InterProximal Reduction)・ディスキング・ストリッピングのデメリット
①健康な歯を削る必要がある
IPRは矯正治療前に採取したデータをもとに歯科医師が綿密に設計した治療計画のもとで行われます。IPRはエナメル質限界切削量という規定がありそれに従い処置を行いますが、健康な歯を削ることに違いはありません。
➁処置中は出血を伴うことがある
歯の形によっては歯ぐきの近いところまで削ることがあります。処置後は出血を伴なうことがあります。ただし、ほとんどの場合数時間でおさまります。
③もともと知覚過敏の症状がある方は、切削時しみる
強い歯磨きや食いしばりなどでエナメル質がすり減っていたり、歯周病などで歯ぐきが下がると、象牙質が露出していることがあります。その露出した象牙質表面には神経に通じる無数の穴(象牙細管)が空いています。その管から水や風などの刺激が神経に伝わり瞬間的に鋭い痛みを感じるようになります。これが知覚過敏です。知覚過敏の症状が強い場合は矯正治療前にご相談ください。
知覚過敏がある私(歯科衛生士)がIPRをやってもらった感想
私は歯の質的に子供の頃から知覚過敏がありました。やってもらった時は瞬間的にしみることはありましたが、慢性的な知覚過敏で感覚に慣れているせいか我慢できました。当院でも、しみるとおっしゃる方は何人かいて、この方々もIPRの処置を行っています。当院ではIPR後に知覚過敏抑制薬液の塗布処置を行いますので安心していただいて大丈夫です。
いかがでしたでしょうか。健康な歯を数るなんて大丈夫なの?と思う方もいらっしゃると思いますが、上でも述べたように矯正治療前に採取したデータをもとに歯科医師が綿密に設計した治療計画のもとで行われます。ですので安心してください。
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